はじめに
災害は突然やってきます。停電や断水、物流の停止が起こると、日常の買い物ができなくなり、家庭での備えが命を守ることにつながります。
この記事は、災害備蓄をこれから始めたい家庭や初心者の方に向けて、災害時に役立つ家庭用ストック食品のリストを紹介します。普段から少しずつ準備しておくことで、いざという時にも安心です。

ストック食品を備える基本の考え方

災害時の食品備蓄は「ローリングストック法」が基本です。
これは、普段の食事に使う食品を少し多めに買っておき、使ったら補充する方法です。賞味期限切れを防ぎ、日常的に食べ慣れた食品を備えることができます。
必要な備蓄日数の目安
内閣府の推奨によれば、最低でも「3日分」、できれば「1週間分」の食品を家庭で備蓄することが望ましいとされています。家族の人数や年齢に応じて必要量を調整しましょう。
なお、日本赤十字社も同様に「ライフラインの復旧まで最低3日分の備蓄」を強く呼びかけています。信頼できる公的機関の指針を参考にすれば、安心して準備を進めることができます。
主食のストック食品
災害時でもお腹を満たすために、主食の備えは欠かせません。
- アルファ米・レトルトご飯:水やお湯で簡単に食べられ、長期保存が可能。
- 乾麺(うどん・パスタ・そば):調理には水や火が必要ですが、エネルギー源として役立ちます。
- クラッカー・乾パン:そのまま食べられるので、火や水が使えないときに便利。
おかず・タンパク源のストック食品
栄養バランスを考える上で重要なのがおかずやタンパク源です。
- 缶詰(ツナ、サバ、サンマ、鶏肉、豆類など):開ければすぐに食べられる。長期保存が可能。
- レトルト食品(カレー、ハンバーグ、丼の具など):温めるとさらにおいしく食べられる。
- 乾燥大豆やレンズ豆:水戻しが必要ですが、植物性タンパク質の確保に有効。
野菜・果物のストック食品
ビタミンや食物繊維も欠かせません。
- 野菜ジュースやトマトジュース:常温で保存でき、手軽に栄養補給が可能。
- 乾燥野菜・フリーズドライスープ:お湯を注ぐだけで食べられる。
- 缶詰(コーン、ミカン、パイナップルなど):甘味もあり、疲労回復や気分転換に役立つ。
お菓子・嗜好品のストック
非常時だからこそ、心を落ち着ける甘いものや嗜好品も役立ちます。
- チョコレートやキャンディ:手軽なエネルギー源に。
- ビスケットやクッキー:子どもの気分転換にもなる。
- インスタントコーヒーやティーバッグ:リラックス効果があり、大人にとっては安心感にもつながる。
水・飲料の備蓄
食品と同じくらい重要なのが水の備蓄です。
- 飲料水:大人1人あたり1日3リットルが目安。
- スポーツドリンクの粉末やペットボトル:発汗による水分・塩分補給に有効。
- 常温保存できる牛乳や豆乳:栄養補給に便利。
災害用ストック食品の比較表
カテゴリー | 具体例 | 保存期間 | 特徴 | 調理の要否 |
---|---|---|---|---|
主食 | アルファ米、レトルトご飯、乾麺、クラッカー | 1〜5年 | 腹持ちがよく主食として使える | 一部不要(クラッカー)、一部必要(乾麺) |
タンパク源 | ツナ缶、サバ缶、レトルトカレー、レンズ豆 | 2〜5年 | 栄養バランスに必須、開けてすぐ食べられるもの多い | 缶詰は不要、豆は必要 |
野菜・果物 | 野菜ジュース、乾燥野菜、果物缶 | 1〜3年 | ビタミン・食物繊維を確保 | お湯を注ぐだけでOKなものあり |
嗜好品 | チョコレート、クッキー、コーヒー | 半年〜1年 | 気分転換・安心感に役立つ | 基本不要 |
水・飲料 | ミネラルウォーター、スポーツドリンク、豆乳 | 1〜5年 | 生命維持に必須、大人1人1日3Lが目安 | 不要 |
Q&A よくある質問
Q1. 子ども用のストック食品はどうすればいい?
A. 離乳食や幼児向けレトルト食品、おやつなどを用意しておきましょう。粉ミルクやアレルギー対応食品も忘れずに備蓄してください。
Q2. 高齢者や病気の家族がいる場合は?
A. 嚥下が難しい方向けのやわらかい食品や、塩分・糖分を控えたレトルト食品を選ぶと安心です。常用薬も余裕を持って備えておきましょう。
Q3. ペット用の備蓄は必要?
A. 犬や猫などペットを飼っている家庭では、フードやおやつ、水を最低でも数日分は用意しましょう。災害時にも家族の一員として守ることが大切です。
Q4. ストック食品はどこに保管すればいい?
A. キッチンや収納棚のほか、玄関や寝室など分散して保管すると安心です。万一の倒壊や取り出しにくさを防ぐために、複数の場所に分けるのがポイントです。
まとめ
災害時に役立つ家庭用ストック食品は、主食・おかず・野菜・お菓子・水をバランスよく揃えることが大切です。特別なものを急に揃えるのではなく、普段から「少し多めに買い、使ったら補充」を習慣にすることで、無理なく備蓄を続けられます。
内閣府や日本赤十字社が示すように、信頼できる公的な指針を参考に準備しておけば、より安心して家族を守ることができます。
- バランスよく、主食・おかず・野菜・水をそろえること。
- 公的機関(内閣府・日本赤十字社)の指針を参考にすること。
- ローリングストックを取り入れて、日常と災害備蓄を両立すること。
👉 今から最低3日分の食品と水を家庭で準備し、安心できる生活基盤を整えましょう。