やさしく語る介護の現場 PR

「もう無理かも…」と感じたあなたへ。介護職で入社後につまずいた時の心の整え方

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はじめに

40代で介護職に転職すると、新しい職場での期待と不安が入り混じる日々が始まります。年齢を重ねてからの転職は、「若い人についていけるかな」「体力がもつかな」と心配になることもありますよね。でも大丈夫。介護の現場には、40代だからこそ活かせる経験と優しさがあります。

最初につまずいても、それは自然なこと。むしろ、そこで気づいたことが、長く働くうえでの大きな財産になります。この記事では、

  • 40代で介護職に転職した人が最初につまずきやすいポイント
  • 気持ちを立て直すための考え方や行動のヒント
  • 無理をせず続けていくための心の整え方

を、現場経験をもとにやさしくお伝えします。


なぜ「最初の3か月」でつまずく人が多いのか

40代での介護職転職は、社会人経験が長いからこその「自分なりの仕事観」と、現場で求められる動き方のギャップに戸惑う人が多い時期です。たとえば、前職で管理職やリーダー職だった方は、あらためて一から学ぶ立場になることで、気持ちの整理がつかないこともあります。

また、20〜30代中心の職場では、指示を待つ若い同僚や、年下の先輩に教わることに戸惑うこともあります。頭では理解していても、プライドや経験が邪魔をしてしまう瞬間があるのです。

でもそれは、あなたが真剣に仕事に向き合っている証拠。最初の3か月は“慣れるための時間”です。焦らず、一つひとつの仕事を体で覚えていけば大丈夫。介護はチームワークが大切な職場。できることから積み重ねていけば、信頼も自然に生まれます。

私は前職のかつらメーカーでは主任でしたが、前職のやり方や常識はいったん置いて、今いる介護の職場のやり方を覚えることに集中しました。「おかしいな」と思うこともありますが、まずは自分が一通り仕事ができるようになることで、細かい疑問は後から納得できるものになることも多いです。


転職して最初につまずくポイント5選

① 仕事の覚え方に戸惑う
② 体力や腰痛への不安
③ 年下の先輩との関係づくり
④ 失敗や注意に落ち込む
⑤ 家庭と仕事の両立

① 仕事の覚え方に戸惑う

介護の現場はスピードよりも正確さと安全が求められます。新人のうちは要領をつかめず、「自分だけ遅い」「みんなに迷惑をかけている」と感じることもあるでしょう。

ですが、焦る必要はありません。介護は「人を覚える仕事」。利用者さん一人ひとりに性格や習慣があり、マニュアル通りではうまくいかないことが多いのです。大切なのは、“観察する力”を磨くこと。40代は人生経験から培った洞察力があります。相手をよく見て、その人に合わせた介助ができるようになると、自然と信頼を得られます。

また、覚えるコツとしては「先輩の動きをよく見る」「メモをとる」「その日の気づきを振り返る」。これを続けるだけで、1か月後には驚くほど成長を実感できます。

② 体力や腰痛への不安

介護職は体を使う仕事です。移乗介助やおむつ交換、入浴介助など、最初は体の使い方に慣れず、腰や腕を痛める人もいます。特に40代では体力の衰えを感じやすく、「やっぱり若い人の仕事なのかも」と落ち込むこともあるでしょう。

でも、無理をせずコツを覚えれば大丈夫。腰を落として支える、膝を曲げる、体重をうまく移動させる——こうした基本姿勢を守るだけで負担は大きく減ります。また、体を温めたりストレッチをしたりと、日常的なケアも重要です。

介護の職場では「無理せず相談する」ことが大切です。体力的に難しい作業は一人で抱え込まず、「少し手伝ってもらえますか?」と声をかけましょう。助け合いができる人は、チームから信頼される人でもあります。

③ 年下の先輩との関係づくり

介護の現場では、20代や30代がリーダーを務めていることも多く、40代の転職者が「年下の人から注意されるのがつらい」と感じることは珍しくありません。

しかし、年齢の上下よりも「チームで良い介護をする」ことが目的です。先輩が年下でも、その人はその現場で積んできた経験を持っています。「なるほど、そういうやり方もあるんですね」と素直に受け止める姿勢を見せると、相手の信頼も深まります。

また、あなたの人生経験は人間関係の潤滑油になります。若いスタッフが悩んでいたら、落ち着いて話を聞いてあげる。そんな一言が、チーム全体の雰囲気を変えることもあります。

私の場合も年下の上司でした。わたしもやりづらいのですが、上司もやりづらいのです。自分より年上で大手企業で主任をやっていた人が部下になるのですから。前職の経験ややり方から今の職場を批判せず、まずは自分から合わせに行くことです。これはプライドを捨てるとか上司のいいなりになるとかではありません。まずは自分から合わせに行って、上司や同僚から認められることです。そうすれば、「前職ではどうでした?」とかアドバイスを求められるようにもなります。

④ 失敗や注意に落ち込む

ミスや注意は誰にでもあることです。でも、40代での転職は「経験がある分、失敗したくない」という気持ちが強く、必要以上に落ち込んでしまう人もいます。

介護職は、チームで協力しながら進める仕事。失敗しても共有し、次に活かせばそれでOKです。大切なのは「失敗を隠さない」「報告・連絡・相談を怠らない」こと。誠実な対応は、必ず周囲の信頼につながります。

そして、注意された時は「人格ではなく、行動への指摘」と捉えるようにしましょう。落ち込むよりも、「改善点を見つけた」と思えたら、もう一歩成長しています。

⑤ 家庭と仕事の両立

40代は、子育て・親の介護・家計など、家庭の責任が重なる時期でもあります。仕事に慣れるまでの間は、家庭との両立が難しく感じるかもしれません。

ポイントは、「完璧を求めないこと」。食事を手抜きした日があってもいいし、洗濯が翌日になっても構いません。仕事で疲れた日こそ、自分をいたわってください。「自分を大切にする人」は、他人を大切にできる人です。

職場に相談できる体制がある場合は、勤務シフトや夜勤の調整も遠慮せずに伝えましょう。無理をせず続けることが、結果的に長く働く力になります。


立ち直りのコツと実践法

① 「完璧じゃなくていい」と受け入れる

真面目で責任感が強い40代の方ほど、「早く一人前にならなきゃ」「迷惑をかけたくない」と思いがちです。しかし、最初から完璧にできる人はいません。介護は“慣れ”と“経験”が何よりの武器です。

「今日はこれができた」「昨日よりスムーズだった」——その積み重ねが自信になります。焦らず、地道に進めば、半年後には周囲の目が変わります。

② 職場に味方をつくる

働くうえで、信頼できる人が一人でもいると安心です。年齢の近い同僚、聞き上手な先輩、気さくな上司——誰でも構いません。自分の気持ちを言葉にできる環境を持つことが、ストレスをためない秘訣です。

特に40代の転職者は、「迷惑をかけたくない」と遠慮してしまいがち。けれど、困ったときに素直に助けを求めることは、弱さではなく“誠実さ”です。その誠実さは、必ず信頼を生みます。

③ 自分の強みを意識する

40代の強みは、「聞く力」「気づく力」「思いやりの深さ」。若い人が気づかない変化に気づき、言葉を選んで話せる。それは立派なスキルです。

たとえば、利用者さんが少し元気がないとき、「どうされましたか?」と自然に声をかけられる。小さな声かけが、利用者さんの安心につながります。経験や人生の厚みこそ、介護職の大きな武器です。

④ 小さな改善を続ける

介護の現場では、“完璧”より“継続”が大事です。ノートに気づきを書き留めたり、1日を振り返って「よかったこと・反省点」をまとめるのも効果的です。

たとえば、

  • 「午前中に焦って動いてしまった → 次は一呼吸おいてから動く」
  • 「利用者さんが喜んでくれた → 同じ声かけを続けよう」

こうした小さな気づきが、やがてあなたの仕事の軸になります。

⑤ 無理をせず、立ち止まる勇気を持つ

体も心も限界を感じたときは、勇気を出して一度休むことも大切です。介護の仕事は、他人の生活を支える責任のある仕事だからこそ、まずは自分を守ることが第一です。

「今日は休もう」「一度リセットしよう」——そう思えるのは、弱さではなく、次へ進む力の証拠。休息を取ることで、また前向きに利用者さんと向き合えるようになります。

介護の職場はシフトで動きますので、できるだけ休まないほうがいいのは確かです。普段からまじめに責任を果たしている職員が体力や気力の限度を迎えたーこの場合は私は休んでいいと思います。これは介護の職場に限りません。有給休暇は年5日取得することが法律でも義務付けられています。限度を迎える前にうまく休みたいですね。


よくある質問(Q&A)

Q1. 「40代未経験で介護職は遅いですか?」
まったく遅くありません。介護の現場では、年齢よりも“人柄”と“思いやり”が重視されます。40代は社会経験が豊富で、落ち着いた対応ができる年代。むしろ信頼されやすいです。

Q2. 「年下の先輩に注意されるのがつらいです」
誰でも最初は戸惑いますが、先輩の言葉の奥には“良い介護をしたい”という思いがあります。感情的にならずに受け止め、「教えてくれてありがとう」と伝えるだけで関係は柔らかくなります。

Q3. 「体力的にきついと感じたらどうすればいいですか?」
体力の不安を感じたら、まずはペースを調整しましょう。すべてを一人で抱え込む必要はありません。介助の姿勢や器具の使い方、夜勤の回数など、無理なく働ける方法を相談するのも大切です。長く続けるには、“頑張りすぎない勇気”も必要です。


まとめ

1️⃣ 40代の介護転職は、経験と落ち着きが最大の強み。
2️⃣ 完璧よりも「昨日より一歩前へ」で十分。
3️⃣ 無理をせず、自分を大切にすることが、長く続けるコツ。

介護職は、誰かの人生を支える尊い仕事です。そして、40代のあなたにはその優しさを形にできる力があります。焦らず、自分のペースで。あなたの笑顔が、今日も誰かの支えになっています。

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