はじめに

親がコンビニをあまり使わなくなってきた、あるいは「近いのに行きたがらない」と感じたことはありませんか。結論から言うと、コンビニは便利な存在である一方で、高齢者にとっては使いにくい要素がいくつも重なっています。それは能力の問題ではなく、環境や心理の問題であることがほとんどです。

この記事では、高齢の親がコンビニを使いにくいと感じる理由を整理し、家族としてどう向き合えばよいかを考えます。単に「慣れればできる」「教えれば使える」といった発想ではなく、実際の生活の中で起きている戸惑いや負担に目を向けます。

この記事でわかること

  • 高齢者がコンビニを使いにくいと感じる具体的な理由
  • 家族が勘違いしやすいポイント
  • 無理をさせない現実的な対処法

高齢の親がコンビニを使いにくい主な理由

操作が直感的でない(複合機・セルフレジ)

コンビニの複合機やセルフレジは、慣れている人にとっては効率的ですが、高齢者にとっては操作の流れが分かりにくい場面が多くあります。タッチ画面の切り替えや確認ボタンの位置、エラー表示の意味などは、初めて触る人にとって直感的とは言えません。

わたしの母も、コピーを取ろうとして操作途中で画面が切り替わり、何をすればいいのか分からなくなってしまったことがありました。結果的に「もういい」と操作をやめてしまいましたが、それは失敗したからではなく、これ以上迷うこと自体が負担だったからだと感じています。

店内が落ち着かず、急かされる感じがする

コンビニは回転が早く、若い利用客も多いため、全体として「手早く済ませる場所」という空気があります。その雰囲気自体が、高齢者にとっては心理的なプレッシャーになることがあります。

わたしの母も、「後ろに人が並ぶと焦ってしまう」と言い、操作に時間がかかりそうな用件は避けるようになりました。実際、通勤時間帯(10時前)、昼食時(12〜13時)、帰宅時間帯(17〜19時)は店内が慌ただしくなりやすく、家族としてもその時間帯を避けて連れて行くようにしています。

時間に追われる感覚は、実際の混雑以上に負担として感じられるものです。

できることが多すぎて、逆に分からない

コンビニでは、買い物だけでなく、支払い、コピー、各種手続きなど、さまざまなことができます。しかし、この多機能さが、高齢者には「何ができる場所なのか分からない」という混乱につながることがあります。

自分がやろうとしている操作が正しいのか、途中で間違えたらどうなるのかと考え始めると、不安が先に立ち、利用そのものを避けるようになります。

文字が小さく、専門用語が多い

操作画面や案内文の文字が小さいこと、専門用語が多いことも、高齢者にとっては大きな負担です。老眼や視力の低下があると、読むこと自体にエネルギーを使います。

わたしの母も、「読めば分かるけれど、読むのがしんどい」と話していました。理解できないのではなく、理解するまでの負担が大きいという点は、家族側が見落としやすい部分です。

店員に聞くことへの心理的ハードル

コンビニの店員は常に忙しそうに見えるため、声をかけること自体に遠慮してしまう高齢者も少なくありません。何をどう聞けばいいのか分からないまま時間が過ぎ、結果として利用を諦めてしまうケースもあります。


家族が勘違いしやすいポイント

「慣れればできる」は必ずしも正しくない

家族としては、「何回かやれば慣れるはず」「一緒にやれば覚えられる」と考えがちです。しかし、加齢により操作手順を覚える負担や処理速度が変化することは自然なことです。

慣れの問題として片づけてしまうと、本人が感じている負担や不安を見落とすことにつながります。

本人は不便さを言葉にしない

高齢の親ほど、「できない」「分からない」と言うことを避ける傾向があります。わたしの母も、「迷惑をかけたくない」「まだ大丈夫」と言い、不便さをあまり口にしませんでした。

使わなくなった理由を聞かないまま、「なぜ行かないのだろう」と考えていると、家族の認識と本人の気持ちにズレが生じやすくなります。


無理に使わせないための現実的な対処法

家族が一度、一緒に体験する

「どこが分かりにくいのか」「何が不安なのか」は、一緒に使ってみると見えてきます。

操作を教えるというより、感じている負担を共有することが大切です。

役割を限定して使う

すべてをコンビニで済ませようとしなくても構いません。

コピーだけ、支払いだけなど、用途を限定することで心理的な負担は軽くなります。

コンビニ以外の選択肢も残す

スーパー、郵便局、役所の窓口など、落ち着いて対応してもらえる場所を併用することも大切です。

便利だからといって、コンビニだけに頼る必要はありません。


比較表(高齢者視点)

高齢者にとって大切なのは「早く済ませられるか」よりも、「落ち着いて対応できるかどうか」です。その視点で、身近な場所を比べると次のような違いがあります。

比較項目 コンビニ スーパー 役所・郵便局
操作の分かりやすさ △ 画面操作が多い △ セルフレジが増えている ◎ 窓口対応
店内の落ち着き △ 回転が早い △ 時間帯で混雑 ◎ 静か
聞きやすさ △ 忙しそう △ 用件を聞く場面が少ない ◎ 聞く前提
待つことへの許容 △ 急かされやすい △ 混雑次第 ◎ 待つ前提
高齢者の心理負担 △ 大きい △ 中〜大 ◎ 小さい
家族の付き添い 必要になりやすい あれば安心 なくても可

スーパーは日常的に使い慣れている分、安心感はありますが、混雑する時間帯やセルフレジの増加によって、高齢者にとって負担になる場面も少なくありません。

 


よくある質問

高齢者向けに優しいコンビニはありますか?

店舗や時間帯によって対応の差はありますが、基本的な仕組みはどのコンビニでも大きく変わりません。人が少ない時間帯を選ぶだけでも、利用しやすくなる場合があります。

どうしてもコンビニを避けたがる場合は?

無理に使わせる必要はありません。避ける理由を理解し、別の手段を確保するほうが、結果的に安心して生活できることが多いです。

家族が付き添えば、高齢の親でもコンビニは問題なく使えますか?

一時的には、家族が付き添うことで不安は軽減されます。ただし、付き添いが前提になると「一人では使えない場所」という意識が残りやすくなります。

無理に慣れさせるより、使わなくても困らない選択肢を残しておくほうが現実的です。


まとめ

  • 高齢者がコンビニを使いにくいのは、能力ではなく環境と心理の問題
  • 家族の「慣れれば大丈夫」という考えが負担になることもある
  • 無理に使わせず、選択肢を残すことが大切

コンビニは確かに便利ですが、すべての人にとって万能ではありません。

親が使いにくそうにしていると感じたら、その理由を知ることから始めてみてください。