はじめに
介護の夜勤は、多くの人が「きつい」と感じやすい働き方です。体力・精神面の負担だけでなく、生活リズムの乱れや緊張感が続く独特のつらさがあります。この記事では、夜勤のしんどさを分かりやすく整理しつつ、わたしの実体験も交えてリアルな状況を伝えます。
つらい気持ちに寄り添いながら、「どうすれば負担を軽くできるのか?」という視点でもまとめたので、これから夜勤に入る人・夜勤がしんどいと感じている人に役立つ内容になっています。
この記事でわかること
- 夜勤が「きつい」と感じる主な理由と背景
- 施設タイプやシフトごとの“夜勤の負担”の違い
- 夜勤のつらさを軽減する実践的なコツと考え方
夜勤が「きつい」と感じる5つの理由
夜勤のしんどさは、単なる「疲れる」「眠い」という言葉では片付けられません。精神面・肉体面・環境・人員体制のすべてが影響して大きな負担が積み重なっていきます。本章では、介護職として働いたわたしの経験も含め、より深く具体的に“夜勤がきつい理由の本質”を掘り下げます。
夜勤がつらいと感じる瞬間は、どの介護現場にも共通してあります。とくに介護職は「少人数で大人数をみる」構造になりやすく、夜勤は日勤以上に負担が偏りやすいです。ここでは代表的な5つのポイントを整理します。
1. 夜勤人員が少なく、責任が重い
夜勤では「職員1~2人で10〜50人をみる」という極端な状況が発生します。利用者さんの体調変化・転倒・暴言暴力・徘徊・不眠・認知症による不安定さ―これらは夜間に集中しがちです。
夜間の利用者さんの急変に介護士が一対応することも珍しくありません。わたしが有料老人ホームで介護士をしていたときは看護師さんがいましたが、それでも当時不安な思いがありました。
特養で働いていた友人は、夜間に看護師さんが不在(オンコールで対応してくれますが)で「近くに看護師さんがいないときに対応しないといけない怖さ」を何度か経験しました。責任と緊張が積み重なることで、精神面の負担が一気に増します。
夜勤は日勤に比べてスタッフ数が極端に少なくなります。特養や老健では「1人夜勤」や「2人体制」が一般的で、急変や転倒が起きた場合の対応が重くのしかかります。誰にも相談できない場面も多く、精神的な疲労が蓄積しやすいのが特徴です。
2. コール対応が多い・睡眠が取れない
夜間のナースコールは夜勤者2人で対応するので、日勤とは比べると対応する回数が確実に増えます。排泄・不眠・トイレ介助・不安の訴えなど、理由はさまざまです。しかし夜勤人員が少ないため“すべてが自分に返ってくる”環境になりやすいのです。
仮眠が取れると言われても、実際にはコールと巡回で“休んだ気がしない仮眠”に終わることも多いです。長く続くと慢性的な睡眠負債がたまり、注意力低下や食欲不振、倦怠感として現れます。
利用者さんの排泄、体位変換、ナースコール対応は夜勤中も頻繁にあります。仮眠が建前だけになってしまう施設もあり、眠れない夜勤が多くなると日中の生活リズムも乱れやすくなります。
3. 長時間勤務による体力消耗
16時間夜勤は、身体的な負担が非常に大きい働き方です。深夜帯は体温が下がり、眠気が強まる時間帯。そこに排泄介助・体位変換・移乗などの重労働が重なれば、疲労感は加速度的に増していきます。
また、夜間はスタッフ数が少ないため“早く・正確に・静かに”作業を済ませなければならず、緊張が続きます。巡回のたびに暗い廊下を歩くことや、利用者さんの寝返り音・物音に敏感になることも、知らないうちに精神負担として積み重なります。
16時間夜勤が代表的ですが、途中で座れない業務や巡回も多く、体力勝負の面があります。夜中の体温低下・眠気・集中力の低下も相まって、終盤はかなりつらくなります。
4. 生活リズムが安定しない
夜勤を続けると体内時計が乱れやすく、以下のような症状が現れます。
- 夜勤明けは眠いのに眠れない
- 夜に眠れず、日中に強烈な眠気がくる
- 食欲が安定せず、体力が落ちる
わたしも40代になって初めて夜勤を経験しました。夜勤明けの眠れない日は強い倦怠感が残り、家事や普段の生活がままならない状態になることがありました。個人差がありますが、体調管理が難しいです。「夜勤の本当のきつさ」と言われる理由のひとつでもあります。
夜勤明けは眠りたいのに眠れない…という日もあります。体内時計が乱れやすく、だるさ・頭痛・食欲不振を感じる介護士さんは多いです。夜勤明けがAM9:00でその日は帰宅、次の日は休日ですが、やはり慣れないとシフトがきつく感じます。
5. 急変やトラブル対応の不安
夜勤中の急変は、一気に緊張感が高まります。利用者さんの嘔吐・発熱・転倒・呼吸状態の悪化など、突然訪れるトラブルに対して最適な初期対応を求められます。
夜勤スタッフに看護師さんがいない場合、介護士の緊張感は相当なもので、この緊張状態で心身が非常に疲労し、夜勤が強く“きつい”と感じる原因になります。
利用者さんの急な体調変化や転倒時の初期判断を迫られることがあります。この“判断の孤独感”が精神的な負担につながり、「夜勤が怖い」と感じる人もいます。
施設タイプ別:夜勤の“きつさ”比較(特養/老健)
介護施設は種類によって夜勤の負担感がまったく違います。ここでは代表的な2種類の夜勤を比較します。わたしは有料老人ホームの経験がありますが、ここでは特養と老健で比較してみたいと思います。夜間に看護師さんがいる、いないでかなり介護士の負担が違ってきます。
特別養護老人ホーム(特養)
- 要介護度が高い利用者が多い
- 夜勤中の排泄介助・体位変換が多い
- 1人夜勤の施設もあり、責任が大きい
→ 夜勤の大変さは最も重い部類
介護老人保健施設(老健)
- 看護師が常駐している時間帯が多い(看護師も夜勤)
- リハビリ目的のため、特養より軽度の人もいる
- コールラッシュはあるが、医療的判断を看護師に委ねやすい
→ 特養よりは精神的負担が軽め
夜勤の仕事内容と1日の流れ(16.5時間夜勤)
夜勤の流れは施設によって異なりますが、わたしは16.5時間勤務でした。途中に4.5時間仮眠の時間がありますが、眠れないことも多くかなり疲労しました。
16時間夜勤の流れ(例として)
- 17:00 出勤・申し送り
- 18:00 夕食介助
- 22:00 巡回・体位変換
- 00:00 仮眠(環境により差が大きい)
- 04:30 巡回・排泄介助
- 05:00 起床介助
- 09:30 朝食介助・日勤へ引き継ぎ
→ 長時間による体力消耗が最大の課題
わたしの実体験:夜勤で感じたしんどさと乗り越えた方法
ここでは、わたしの経験をもとに「リアルな夜勤のしんどさ」をまとめます。
精神的にきつかった瞬間
- コールが頻繁に鳴り、休む暇がない(仮眠できない)
- 認知症の利用者さんが不安定で、何度も部屋を出入りする
- 夜勤の日は、トラブル発生への不安が常にある
身体的にきつかった場面
- 長時間の立ち作業で脚がパンパンになる
- 夜間の排泄介助が続き、腰への負担が大きい
- 夜勤明けに眠れず、体調が崩れやすい
乗り越えた方法(実践)
- コール対応はあわてずに順番を整理して冷静に行う
- できるだけこまめに休憩する(緊張してるなと思ったらほぐします)
- 夜勤前は眠れなくても横になり体力を温存する
- 同僚に悩みや不安を小まめに共有する
夜勤を少しでも楽にするための3つの実践アイデア
夜勤の負担を減らすには、次の3つが効果的です。
休めるときに休む「スキマ休憩」作戦
少しのスキマ時間でも座る・水分を取る・深呼吸をするだけで体の負荷は大きく違います。
夜勤前後のおすすめ生活習慣
- 夜勤前:軽い食事と仮眠(横になるだけでも良い)
- 夜勤明け:入浴→軽食→2~3時間仮眠→夕方まで普段の生活→夜は普通に就寝
夜勤の多い施設を避け、回数を調整する
面接時に「夜勤回数」「仮眠室の有無」「夜勤人員」を確認すると、働きやすさが大きく変わります。
夜勤が向いている人・向かない人の特徴
夜勤に向いている人
- 夜型の生活リズムが苦にならない
- 緊急時に落ち着いて対応できる
- コツコツ作業ができる
夜勤に向かない人
- 生活リズムの乱れに弱い
- 急な判断が苦手
- 緊張状態が続くと体調を崩しやすい
夜勤に関するQ&A(よくある質問)
Q1. 夜勤って本当にきついですか?初心者でもできますか?
夜勤は確かに負担が大きいですが、最初から完璧にこなす必要はありません。最初の数回がいちばんしんどく、慣れてくると業務の流れが読みやすくなります。新人さんへのサポート体制がある施設も多いので、初心者でも十分にできます。
Q2. 夜勤は仮眠できますか?どれくらい眠れますか?
施設によって「しっかり仮眠できる」「ほぼ仮眠なし」と差が大きいのが実情です。コールが多い夜はほとんど眠れないこともあります。仮眠が十分に取れない勤務が続くと睡眠負債になるため、夜勤回数や勤務環境の見直しが大切です。
Q3. 夜勤でよくあるトラブルは?
夜勤中は転倒、発熱、嘔吐、徘徊、不眠などのトラブルが起きやすく、判断が求められる場面が多々あります。看護師不在の場合は特に緊張が強まり、経験と冷静さが必要です。
Q5. 夜勤の回数は月にどれくらいが一般的?
多くの施設では月4〜6回が一般的です。回数が多すぎると生活リズムの乱れや疲労の蓄積が起こりやすくなります。無理のない回数で働ける職場を選ぶことが大切です。
Q7. 夜勤に向いていないと感じたら転職すべき?
夜勤がどうしても体質や生活に合わない人は一定数います。「向いていない」と感じるのは悪いことではなく、日勤中心の働き方が向いているだけのこと。無理に続けるより、心身の健康を優先して職場調整や転職を検討するのも自然な選択です。
まとめ:夜勤を上手に活かすためにやること3つ
- 自分の体力・生活リズムと向き合う
- 夜勤環境の良い施設を選ぶ(仮眠・人員体制の確認)
- 夜勤明けのケアまで含めた「夜勤ルーティン」を作る
夜勤はきついですが、工夫次第で負担を軽減することは可能です。あなたの体調と生活リズムに合った働き方を見つけ、無理のない範囲で続けていきましょう。
